頭では分かっている…けれど、何度経験しても慣れることのない現実です。
長い年月、支援させていただいた方が旅立たれました。
出会った当初のことを、今も鮮明に覚えています。
不安そうな表情、ご家族の戸惑い、これからどうなっていくのだろうという静かな緊張感。
僕たちは「支援者」として関わりましたが、本当は“支える”というよりも、“共に歩ませていただいた”時間だったのだと思います。
嬉しい日もありました。
体調が安定した日。
小さな目標が達成できた日。
ご本人様がふっと笑われた瞬間。
何気ないその一つひとつが、今となっては宝物です。
もちろん、うまくいかない日もありました。
症状が進行したとき。
思うように身体が動かなくなったとき。
ご本人様の悔しさや、ご家族の葛藤に直面したとき。
それでも、管理者を中心にMoanaスタッフ一同諦めず、できることを探し続けました。
昨日より今日が少しでも安心できるように。
今日より明日が少しでも穏やかであるように。
支援とは、奇跡を起こすことではなく、
「その人らしい時間」を守ることなのだと、あらためて教えていただきました。
最期が近づいていることは、誰の目にも分かっていました。
覚悟もしていました。
けれど、訃報に触れた瞬間、胸の奥にぽっかりと穴が空いたような感覚が広がりました。
分かっていても、寂しい。
訪問先へ向かう道。
いつも通っていた玄関。
座っておられたあの場所。
すべてが思い出に変わっていくことが、こんなにも切ないとは思いませんでした。
支援者である以上、感情に流されてはいけない。
そう自分に言い聞かせることもあります。
でも、僕は思います。
寂しいと感じるのは、それだけ真剣に向き合ってきた証なのだと。
僕たちの仕事は「命」と向き合う仕事です。
だからこそ、別れは必ず訪れます。
けれど、その時間の中で交わした言葉や表情、重ねた日々は、決して消えることはありません。
その方が教えてくださったこと。
ご家族が見せてくださった強さ。
共に悩み、考え続けたスタッフの姿。
すべてが、今の僕たちの礎になっています。
代表として、僕は改めて思います。
僕たちの仕事は、数値や制度の中だけで完結するものではない。
一人ひとりの人生の一部に関わらせていただく、重みのある仕事です。
だからこそ、これからも――
目の前の一人に真摯に向き合い、
その人らしい時間を支え続ける組織でありたい。
出会いは、偶然のようでいて、きっと意味のあるもの。
別れは、終わりのようでいて、僕たちの中に確かに残るもの。
心よりご冥福をお祈りいたします。
そして、これまで本当にありがとうございました。
出会えたことに、心から感謝しています。